おはなし絵本クラブ
絵本に関わる人。モノ。コト。千木良悠子が突撃インタビュー! このサイトのご利用方法 入会はこちらから よくあるご質問
おはなし絵本クラブ > 絵本情報 > もっと聞きたい >

田沢千草さん

サイトマップ
ボーダー
角
もっと聞きたい


第6回・田沢千草さんに聞きたい

今回インタビューにうかがったのは、『あめがふったら なにしてあそぼ』の作者、田沢千草さんです。青森出身で、大学は京都。ほぼ独学で絵本を描き始めたという田沢さんはおっとりした、可愛らしい印象の女性です。こんにちは!
あめがふったら なにしてあそぼ あめがふったら なにしてあそぼ
たざわ ちぐさ・作/画
おはなし絵本クラブオリジナル

【絵本を描き始めたきっかけ】
千木良:まず、絵本を描きはじめたきっかけは?
田沢:大学4年のときに絵本の教室に通ったんですけど、絵本作家や編集者の方が講師に来てプロの現場の話をしてくれて、面白いなと思って。けっこうさぼってたので、半分くらいしか聞いてなかったんですが、スズキコージさん、荒井良二さん、福音館の編集者さん、それから宮崎駿さんとか…。
千木良:大御所ぞろいの講師陣ですね。絵は、小さい頃から描いてたんですか?
田沢:田舎育ちなもので、遊ぶものがなくて。友だちといっしょに架空のキャラクターを描いて、二人でお話を作り進める、遊びをしてました。何冊分も描いたんですが、絵描きさんになりたいという選択肢は全くなくて。
千木良:何になりたかったんですか?
田沢:京都に行って日本文化を吸収して、それを海外に伝えよう、とか漠然と考えてたんです。
千木良:ちっちゃい頃から京都にいきたかったんですか? お寺が好きとか?
田沢:お寺も好きだし、外から日本を見たとき、伝統的なものが好きなので、直接触れたかったんです。で、やっぱり文化の中心は京都かなと。青森出身なんですけどね。
千木良:青森にも伝統的なものはいっぱいありますよね?
田沢:はい。いっぱいあります。でも、それは、青森を出てから気づきました。
千木良:津軽三味線とかりんごとか(笑)……ねぶた祭とか恐山とか。あ、青森には動物とかいるんですか?
田沢:います、います! 野生のニホンカモシカがいっぱいいて。本当に怪我したニホンカモシカを村人(笑)じゃないけど、みんなで助けたりも。


【独学で絵本作家へ】
千木良:絵本作家になろうかな、と思ってからすぐ作品を描かれたんですか?
田沢:ええ、絵本教室の卒業制作展みたいなのがあって、最初はそれに向けて描きました。一人で作ってるのとは違って、プロの編集の方にアドバイスをもらい、目が覚めるようなことが何度もありましたよ。作るっていうのはこういうことかってのいうのを教えてもらった感じです。
絵も全部独学なので、最初アクリル絵の具の使い方を知らなくて、油絵の具みたいに水に溶かないで描いてて、そうやって、自分なりの面白いやり方を覚えていきました。

千木良:独学なんですか! 絵がお上手なので、油絵なんかを勉強されてるベテランさんかと思いました。お鍋を描くのに色と色を丸く重ねて置いていったり、歪んだ図形で遠近感を表現したり、描き方にバリエーションがあるから――素人意見なんですけど。好きな画家とかいらっしゃるんですか?
田沢:海外だとフンデルトヴァッサー(*1)が凄い好き。大学3年のとき旅行先で見て、絵の知識なにもないままに『絵がしゃべってるー!』と思って。それがきっかけにはなったかも。
千木良:フンデルトヴァッサーってオーストリアでしたっけ? いいな! あのマンション(*2)とかも見たんですか?
田沢:ええ! でも、迷ったらついたんですよ!だからそれこそ、偶然出会った感じ。
千木良:迷ってうろうろしてたら凄い変な建物がある、みたいな?
田沢:はい!

注)
*1 オーストリア生まれの画家、フリーデンシュライヒ・フンデルトヴァッサー。近代建築を批判し、合理性を廃し生態学に基づいた建築デザインを提唱した。
*2 フンデルトヴァッサー・ハウス。ウィーン市内にあるフンデルトヴァッサーがデザインした市営住宅。1986年に完成。


【あめがふったら、なにしてあそぼ】
千木良:『あめがふったら なにしてあそぼ』の話に入りたいと思います。以前、ナレーションのアルガレイさんにインタビューしたとき、擬音の指導を受けたとおっしゃってましたが。
田沢:指導というほどでもないのですけど、自分で文章を書いてるので、元々のイメージがあって、伝えていったという感じです。擬音って日本語独特のものだと思うんで、絵本の中には、いっぱい使ってみました。絵本って声に出して読むと楽しくなるでしょ。だから、リズムを考えて作ったんです。擬音は、自分で作れるのが面白いと思うんです。
千木良:音楽担当の知久さん(元「たま」のメンバー)から曲をもらったときは、どうでしたか?
田沢:えー、『やったー!』という感じ。もともと好きだったし、口琴とか使われるので、雨の感じと合うんじゃないかなと。音楽は本当に未知の世界なんで、できあがったものに出会うのがすごい楽しみでした。
千木良:なぜ、雨の話を描きたかったんでしょうか?
田沢:みんな、梅雨、嫌いですよね? 高校生のときに、地元で台風が来て、シャワーみたいな雨が降ってきたことがあるんです。『これ、このまま服のまま飛び出したら気持ちいいだろうな〜』と思って、飛び出してみたんですよ!すごいずぶぬれになって……。それが、すごい良くて。雨をこんなに楽しめる方法があるんだ、と。でも、本当は全部脱いだほうが、もっと気持ちよかったに違いない!と思って……
千木良:パンツ一丁で(笑)?
田沢:パンツ一丁で!
千木良:夢を託したわけですね(笑)。
田沢:夢を託しました!絵本を描くとき、いつも思うんですけど、ただの架空のお話、じゃなくて、実際やってみようと思えることや、やれることのほうがいいなと考えてて。だからこの行為も。
千木良:「お試しあれ」みたいな。
田沢:『鍋もって飛び出せ!』みたいな感じは多少、あります(笑)


【ふだんの生活】
千木良:生活面で最近凝ってることとか、定期的にやってることとかありますか?
田沢:生活面では……舞踏にはまってます。ワークショップや発表するのがあったりとか 早稲田大学のワークショップで、伊藤キムさんの舞踏のクラスに参加しました。すごい面白かったです。階段を歩かずに転げ落ちたりとか、エスカレータに乗ったまま歩いたり座ったり。日常のなかに非日常を持ち込むというコンセプトでした。普通の人も乗ってくるエスカレータなんで、普通の人にちょっかい出したりとか。普段、黙って絵を描いてることが多いので、体を動かしたら 変わるかなと思って。発散と、絵の表現の幅をもっと広げたかったんです。
千木良:変わりましたか?まだわからない?
田沢:なんとなく。気持ち的には、かなり良くなった気がします。

【お楽しみの次回作】
千木良:最後に、このお話を読んでくださる方に何か伝えたい事など。
田沢:そうですね……さっきも話したんですが、四季を楽しむ方法を発見していくと、楽しく、毎日を愛していけると思うんです。雨とか雪とか全部。
千木良:日本の四季は好きですか?
田沢:好きですね。はっきりしてるので。
千木良:おはなし絵本クラブで、次回作を発表されるんですよね。
田沢:うーんと……クリスマスに向けてってことで。おたのしみに。それから、現在発売中の『MOE』いう雑誌に、描き下ろし絵本を載せてるんで、よかったら立ち読みしてみてください。
千木良:買ってください、でしょ(笑)。今日はどうもありがとうございました!



角 角
  写真  
田沢千草

1977年 青森生まれ。
大学卒業後上京。アニメ−ションの美術制作、舞台美術、キャラクターデザインなどの仕事をするかたわら 絵本を制作している。のびのびとした絵と作者が出会った世界のどこかで起っている話を絵本で表現している注目の新人絵本作家。

作品一覧
2001年 月刊MOE(白泉社)/1月号 描きおろし絵本『さかさまほう』
2002年 日テレ/ドラマ『メッセージ』 オープニングアニメ−ション映像キャラクターデザイン(ロボット)
2003年 月刊MOE(白泉社)/12月号 描きおろし絵本『マトリョーシカのクリスマス』
WOWOW5.1chプロモーション映像キャラクターデザイン(ロボット)
2004年 『そだててあそぼう ゴマの絵本』(農分協)

 
角 角

角 角
  千木良悠子 千木良悠子   1978年東京生まれ、慶応義塾大学卒。作家として小説「猫殺しマギー」(産業編集センター)を出版しているほか女優や映画監督としても活動。現在「おはなし絵本クラブ」にてウェブ絵本を製作中。
角 角


もっと聞きたいTOPページへ