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近藤聡乃さん

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第7回・近藤聡乃さんに聞きたい

ふたりであいうえお』は大好きな作品です。さねよしいさ子さんのメロディに乗せて、にゃんたとみみこが自在に四季を駆け巡る「あいうえお」は、一度聞いたら、その夜のお風呂場で口ずさんでしまうことうけあい!
作者の近藤聡乃(こんどうあきの)さんは画家でアニメーション作家で、しかも11月には単行本発売も控えるマンガ家さんとのこと。いったい、どんな方なのでしょう。
ふたりであいうえお ふたりであいうえお
近藤 聡乃/絵と文
おはなし絵本クラブオリジナル

【天才肌のアーティスト】
近藤さんはマンガ誌『アックス』で新人賞を受賞。またアニメーション「電車かもしれない」は第3回ユーリ・ノルシュテイン大賞/観客賞、DIGISTA AWARDS2002アニメーション部門賞、さらには、平成14年度第6回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門/奨励賞を受賞。数々の個展を開き、11月には青林工藝舎から単行本「はこにわ虫」を発売予定という、驚くべき才能をもつ、芸術家なのです。

近藤:今、おもにやっている仕事は「絵」。アートギャラリーに預けて、海外のアートフェアに持ってってもらったりしてます。
千木良:え、海外!? お若いのに……。最近、大学を卒業されたんですよね。
近藤:はい、2003年に多摩美グラフィックデザイン科を卒業しました。
千木良:もしかして近藤さんて……いわゆる「天才」?




早速、作品ファイルを見せていただきました。膨大なる少女たちの肖像、そして虫、花、花、花……私が特に食い入るように見てしまったのは「GEISAI」で草間彌生賞をとったという立体作品「はこにわ虫」の写真。立体オブジェにゴマや小豆が無数に埋め込まれて、吸い込まれそうに……!

千木良:これは、すごいですね……。ぜひ本物を見たい……。
近藤:ありがとうございます!
千木良:それにしても、普段描かれている絵は『ふたりであいうえお』のタッチと、すごくかけ離れているから、どちらかだけ見ている方はびっくりするかもしれませんね。
近藤:そうかもしれません。
千木良:『ふたりであいうえお』は、特にストーリーがあるわけじゃないのに、みみことにゃんたの性格がすごくよくわかるります。画力があるってことなんでしょうねえ……絵本の中の「あいうえお作文」って、すぐ浮かびましたか?
近藤:ら行とかは苦しかったですね。自分で好きなのはさ行のシーンかな。絵がうまくいったんだと思うんですけど。
千木良:さねよしさんに歌っていただくのは、どうやって決まったんですか?
近藤:初めにラフを描いてみて、軽い、鼻歌みたいなかわいい感じがいいということで、すぐ決まりました。さねよしさんは普通に話してるときもかわいい声の方で、打ち合わせしてる間にどんどんメロディーが浮かぶみたいで、その場で作ったりしていましたよ。
千木良:作り方としてはどんな感じで?
近藤:あまり長編のものができないたちなので、少しずつ細かく作ってて、全体的に季節がいろいろバラけていればいいかなと。登場するのは、最初からウサギと猫に決まっていました。なんでか分からないですけど(笑)



【描いていると作品に】
千木良:女の子と虫、という絵が大量にありますが、このモチーフはいつから生まれてきたんですか?
近藤:女の子と虫の絵は、初めから描いてましたね。コンセプトはなくて、いいなと思ってるものを描いてるんで。
千木良:この絵(曼荼羅のように細かく描かれた、髪の毛と無数の女の子)などは、何かをモチーフにしてかかれたりしてるんですか?
近藤:特にはモデルになってるものはないですね。虫なんかは見ないと書けないので、参考資料に図鑑を使っていますが。
千木良:へえ……いきなり完成のイメージが浮かんでくるんですか?
近藤:完成のイメージが浮かぶ事もありますが、だいたい落書きのように描き始めて、描いているうちにできていきます。
千木良:必ず、このおかっぱの女の子が登場するんですね。
近藤:はい。高校三年生のときに初めてマンガを描いたんですが、美術の予備校内の大会で優勝して、嬉しくなってそれからどんどん描いて。画家の佐伯俊男さんに似た感じの絵柄でした。
この話は、主人公が授業中に居眠りをしてて、クラスにいる憧れの女の子に対する想像を膨らませていく、というもので、最後に想像と全然違ってがっかりするんです。その「憧れの女の子」が、このおかっぱの子でした。

千木良:この女の子みたいな人にあったことがあるんでしょうか?
近藤:特にないですね。
千木良:この子、14歳くらいですかね。
近藤:最初、高校3年生のつもりだったのですけど、15歳くらいにしか見えないと、みんなに言われますね。最近はもうこの女の子しか描いていなくて、ほかのものを描く予定は今のところないです。




【アニメーション、そしてマンガ】
千木良:今後、近藤さんのやってみたいことは?
近藤:今は、絵がメインで忙しいのですが、時間ができたら、もういちどアニメーションを作ってそれに合わせて展示をしたいと思ってます。卒業制作で作った『てんとう虫のおとむらい』というアニメが半端なままになっているので、完成させたいんですよね。
千木良:なるほど。それにしても、たくさんの作品を描かれてますよね。普段の生活は、基本的に常に部屋で絵を描いてるという感じですか?
近藤:そうですね。部屋が狭いので、大きい絵を描くと身動きとれなくて大変です!
千木良:前回インタビューした田沢千草さんは、舞踏にハマってると言ってましたが、煮詰まったりしたとき、外に出て暴れたくなったりしませんか?
近藤:出かけたり、友だちと会ったりはするけど……基本的に室内のほうが好きですね。
千木良:ビデオをみたりとか?
近藤:ビデオはほとんど見ないですね。マンガが好きで、特に鈴木翁二さんや高野文子が好きなんですが、同じのを何回も読んだりとか。
千木良:あ、同じマンガ何回も読むの楽しいですよね。
近藤:ええ、理解が深まって、もうどっからでも読めるって感じになりますよね。よく読むのは鈴木翁二さんの『マッチ一本の話』という本に収録されている「思い出物語」という作品です。主人公が自分の子供の頃を酒場で出会った人に話している、という設定で、妹が死んでしまう話なんです。ちょっと詩みたいな感じで、一回読んでもわからないことがだんだん分かってくるのが面白い。
千木良:ちなみに好きな食べ物は?
近藤:和食ですね、豆腐とか米。
千木良:やっぱり和なんですね……着物も似合いそうですよね(笑)



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近藤聡乃
1980年、千葉県出身。多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。
コミックH(rockin'on)にてマンガ不定期連載中。
■受賞歴  
2000年 マンガ「小林加代子」-第2回アックス新人賞/奨励賞
2002年 立体作品「はこにわ虫」-GEISAI1-GP/草間彌生賞
アニメーション「電車かもしれない」
・第3回 ユーリ・ノルシュテイン大賞/観客賞
・DIGISTA AWARDS 2002 アニメーション部門賞
・平成14年度[第6回]文化庁メディア芸術祭 アニメーション部門/奨励賞
2003年 マンガ「つめきり物語」
平成15年度[第7回]文化庁メディア芸術祭、マンガ部門審査委員会推薦作品

■展示  
2003年 9月 個展「近藤聡乃展」ギャラリーエス
2004年 2月
同年 4月
同年 7月
グループ展「オトメ会議」ギャラリーエス
グループ展「Blind Pilots」THE PROPOSITION
グループ展「日本四景」ギャラリーエス
 
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  千木良悠子 千木良悠子   1978年東京生まれ、慶応義塾大学卒。作家として小説「猫殺しマギー」(産業編集センター)を出版しているほか女優や映画監督としても活動。現在「おはなし絵本クラブ」にてウェブ絵本を製作中。
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