| 西巻:『えんどうまえの上のおひめさま』はね、短編でかわいらしいお話なんだけれど、ものすごく観念的。「一番美しいものはいったいなにか」という、アンデルセン自身の哲学や美学が表現されているから、それを絵に描くことは難しかったですね。
角野:文章はアンデルセンが書いた原文そのままではなく、原文を英語に翻訳されたもの、また、日本語にされたものを何度も読んで、そこからイメージした絵を、今度は私の言葉で表現するようにしました。
西巻:角野さんから文章をいただいて、どういうふうに絵をつければ、一つのお話としてすっと流れるようにできるかが一番問題だったわ。いざ、画用紙を16枚並べてここに「なにを描いたらいいのかしら?」と、とにかく悩んでね。悩んだ結果、かわいいお姫様がひとり浮かんで、16枚の画用紙にその雰囲気だけを描くしかないと思ったの。『えんどうまめの上のおひめさま』の絵を描き終えてみて、一生のうちに、なにかすごいことをやってしまったとつくづく思いましたよ。
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